「春」の油絵で、今回はざっくりですが制作過程をアップしようと思いました。
こないだ、どのように描いているのですかと質問されたこともありましたので、少しですが参考になればと思いました。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
前に下絵だけアップした時にもチラッと話してましたが、なぜ見たままの色合いでは良くないかというと色合いに深みが出しにくいからです。(薄描きの場合です。)
下絵では、だいたいのイメージを確認する感じで描くのがいいと思ってますが、あまりにそのままの色合いで描いてしまったので2回目の塗りで修正しました。(それは写真がないですが)
油絵は上からいくらでも変えていけるという特徴があるので、完成時とは違う色をのせることでそれが深みになっていきます。極端な場合、反対色を塗っておくのも面白い効果が出ます。
わたしが最初に習ったやり方は、なるべく3原色(赤、黄、青)を使って反対色を塗るというやり方でしたが、自分なりに絵によってそのあたりのやり方は変えています。
人物の場合、中間色を塗っておいてもいいと思いますし、これが正解というものでもないと思いますのでいろいろと試してみたりしていますが、だいたいの自分のやり方は決まってきています。
わたしは基本的に薄描きが好きなので、下の色が面白い効果を出すやり方で描いています。その場合に大事なのは、ある程度乾いてから重ねるということです。
そうしないと色が混ざってしまって、黒っぽい絵になってしまいます。
ですので、乾かす時間を考えて制作します。時間はかかりますが、それもまた楽しいものです。
薄描きではなく最初からぶあつく塗りたい場合は、ほとんど下の色を気にしないでいいと思います。
ちなみにモネは一日で描きあげることも多かったそうです。だから、色があんなに鮮やかなんですね~。
油絵は結構自由度の高い絵画だと思うので、好きなやり方でいいと思います。
リアルに描くもよし、ザクザクとワイルドに描くもよしですね。
薄描きは、よく「おつゆで描く」とかとも言います。正式にはグレーズという技法になります。
わたしは、グレーズが学生時代から好きな描き方です。
油絵は、重ねて塗るという方法でおそらく人間が本当に感じている深い色合いがある程度再現出来てるのではないかと思っています。
目では、確かに青い色とか赤い色とか捉えてはいますが、たぶんそれだけでない色を本当は見ているので油絵の深みのある色に惹かれるのかもしれないと思う時があります。面白いですね。
さて、話が長くなりましたが、、
こちらは↓、3回目の塗りです。少しですが下に塗った色の効果が多少出てると思います。
これが↓、4回目の塗りですが、まだ完成ではないです。
背景は気に入ってるのですが、肝心の花をもう少し描き込んでいこうと思っています。
油絵は、すぐに乾かないので違うな~と思えば、描いた直後なら拭き取ることも出来ます。
なので割合と気楽に制作していけるところがあって気に入っています。
まあ、延々と描けるという底なし沼な画材でもありますが、、(笑)
興味のない方には、長い話でつまらなかったかもしれないですが、、お許しを!
では、このへんで。
見てくださり、ありがとうございます!